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浦田浩志

Sep 18, 2026

【取材後記】「未来の拓き方」イトウマサトシさんと松永高明さん(雑誌庭NIWA265)

CATEGORY | 取材後記

話を聞いた時に、「おっ、ついに私が担当だ」と思ったのが、雑誌『庭NIWA』の265号(2026年10月1日発売)で担当した、「庭について発信する人」というくくりのページです。オンラインで取材したのは、おにわさんの名で知られ、日本全国各地の庭園を紹介するイトウマサトシさんと、庭師の庭づくりや古庭園の魅力を世界に発信するJapanese Garden TVを主宰している松永高明さん。何が気になっているかというと、お二人とも身銭を切ってものすごい量の記事や動画をアップしているからです。私にもその取り組みはありますが、お二人は先行しているのです。

イトウマサトシさんって勤め人?だからこそ

最初にイトウさんと会ったのは、2025年のよさみガーデンフェスタでした。坪庭展などを任されていた高見紀雄さん(高見庭苑)から、「パネルディスカッションをするから浦田さんも前で喋ってよ」と言われて登壇することに。私だけの突然の参戦だったからか、刈谷市さんのサイトに私の名前は確認できませんが、おにわさん、雑誌庭の澤田さん、私でトークショーを行いました。(刈谷市の方、ご覧になられましたら、ぜひ私の名前もサイトに入れてください〜 涙)

左から司会の高見紀雄さん、画面を挟んでイトウマサトシさん、澤田さん、浦田浩志。ね、ちゃんとパネリストしているでしょ。

この時の話題としては、前半に自分がみなさんに見てほしい庭を3つ紹介して、その後、これからの庭の未来はどうなるかというもの。私が紹介したのは、平さんの棚田(山口県上関町祝島)、ミクロネシア連邦コスラエ島の景観、貞観園(新潟県柏崎市)でした。また、これからの庭の未来については、本来、私は悲観派。よほど庭業界が変わらないと、庭ファンや新規就業者は増えないと考えています。でも、この場は庭ファンを作る場。ここで業界内の悲観的なことを言っても未来は広がらないと考えて、けっこう前向きなことも話しました。イトウマサトシさんも、もっともっと庭師・造園業のみなさんがプロだからこそ分かることを積極的に発信していかないと、未来に庭文化が残せないと考えておられ、とても考えていることが一致しているなと感じました。それを受けてのインタビューだったので、いろいろ聞きました。その中で最も驚いたのは、イトウマサトシさんは会社員でお休みの日に庭を巡っているというのです。年間休日って土日祝は120日程度だったはずで、その休みを使って10年で2,000以上の庭を見ている、と。凄まじい数です。ご本人にそうお伝えしたところ「いや、最初はジュビロ磐田のサポーター活動から始まったことですから」ということで、サッカーというのはもの凄いなと(笑)。私の視点から聞いたことにはなりますが、ぜひ、実際の記事を読んでいただきたいです。

▼取材データ
イトウマサトシ(おにわさん)
公式サイト:庭園情報メディア【おにわさん】 / 2000の日本の庭園を紹介する庭園マガジン。

あーでもない、こーでもない、の相手を取材

イトウマサトシさんとはまた違う接点を持つのが松永高明さんです。庭業界の方なら聞いたことがあると思いますが、フォロワー数20万人以上の『Japanese Garden TV』というYouTubeチャンネルを運営する庭園専門のYouTuberが彼。やってみると分かりますが、YouTubeで20万フォロワーは相当すごいです。しかも、ジャンルが流行りものではなく、「庭」と「庭師」です。ビックリですよね。

で、その松永さんと私、2023年に接点ができました。なんでか、塩野潤さん(植木屋 塩の)と金綱潤一さん(金綱造園事務所)と飲む謎の飲み会(「潤潤会」と命名)で、電話がかかってきたことで初めて喋って、みたいな感じです。余談ですが、塩野さんと飲むとなんでかよく分からないことに転がっていきます。まさに庭師らしいというか。この日も、おっさん3人で最初に入ったのは若い子達が行きそうな韓国料理屋さん。その後、しっぽりとした居酒屋さんに辿り着くのですが、そこでなぜか田中宏明さん(田中造園)が現れたりとしている中に松永さんが電話で登場したというわけです。でも、訳の分からない流れって強くて、その後、松永さんと私は定期的にオンライン飲み会をする仲になっていきます。そこでは、毎回毎回、あーでもない、こーでもないと話しているのですが、なんでこんな仲になったかというと、松永さんも私も「庭の未来がこうなってほしい」と動いていることが誰にも理解されないからです。バッサリ言ってしまうと。で、一人でずっと洞窟を掘り進んでいたんだけど、たまに洞窟の外に出たら同じことをしていた人がいた!ということで仲良くなりました。そう、我々はかなり庭業界こうなったらなで今も動いています。

と、今書いたところを読み返すと、記事のこと何も書いていませんね。そうです。守秘義務をかわしながら、さらには本編を読みたくなる取材後記だなんて簡単なことではありません。でも、そろそろ記事のことに触れなければなりませんね。まず、彼はかなり大きい夢を持ちたい人物だということです。YouTuberを初めた頃は日本の庭文化を世界に届けたいという思いがあり、今はそれが庭園の3Dスキャンにも向かっているそうです。その掛け合わせて生まれるのはどんな未来?というのが記事の趣旨。ぜひ、こちらも併せてお読みいただければうれしいです。

▼取材データ
松永高明
公式サイト:Japanese Garden TV (YouTube)
関連サイト:一般社団法人 日本庭園アーカイブ協会

クレジットデータ

本記事の取材・文:浦田浩志(@uracci)
掲載:『庭NIWA』265号(2026年10月1日発売)
写真:浦田浩志